少年敗走記

脳みそをさらけ出すダンスホール。

宮野真守さん「孤島の鬼」朗読

海王社文庫から出ている声優さんが古典を読むシリーズ。

今回は乱歩です。

乱歩といえば怪奇小説ですが、この孤島の鬼は同性愛要素も入っています。

登場人物は二人。箕浦と諸戸。箕浦のほうが美少年で諸戸の方がこの箕浦に惚れています。そこに不具者製造(現代では差別言葉ですが)というおぞましい要素が加わっています。

 

この朗読も全文ではなく二人が洞窟に閉じ込められてから「地獄の底のめんないちどり」までというどうしてその場面を選んだのかという場面の朗読です。

 

どうせなら最後の諸戸のセリフを声で聴きたかった。

あの切ない諸戸の心情を。

 

この朗読はほぼ諸戸のセリフで進みます。狂気を抑えるような、死の淵で罪を告白する高ぶる感情を抑える話し方。

寝物語には絶対に向きません。暗闇で聞くには怖すぎる。

バックの音楽も切なさや怖さよりも不気味さを出しています。

乱歩好きならおすすめ。