少年敗走記

脳みそをさらけ出すダンスホール。

蟲師ギンコの男っぽさ

蟲師の解説本「連綴」を読みながら蟲師のアニメを見返しています。蟲師のアニメは原作に忠実につくってありますが、それでも動きや色、声がつくことで原作にはない解釈ができたりするものですね。

その一つにこの連綴にある「ギンコは普通の兄ちゃん」というのはアニメではより顕著に出ていると思います。ギンコは男相手には容赦ないというか、乱暴なのに女相手だと優しい気づかいを見せたりするところとか。

例えば「枕小路」でジンを火事の家から連れ出すのはいいがそのあと地面に放り出して火を消しに行く。ジンが地面に頭をぶつけるシーンもちゃんと描かれてるんですよね。

「雨が来る虹が立つ」でも虹郎を夏の炎天下で空を見張らせたり(自分は日陰にいて「ちゃんと見張ってろよ」なんてちょとひどくない?)虹郎が虹蛇に触ってしまったときも肩をつかんで地面に引き倒して助けたり。助け方が乱暴なんですよね。その時のセリフ「ばかやろが。どうともねぇか。」もまさしく相手が男だからでしょうね。女相手だったら「おい、大丈夫か」くらいになりそうです。

女相手だと結構肩入れするし、助け方も優しい。「瞼の光」でも目をなくしたスイに自分の義眼をあげたり「虚繭取り」の綺にも自分の人生を歩ませるために虚穴に連れて行ってあげたり。しかも一緒に入ってあげる。

この、同性相手だと気取らない、飾らないが異性相手だと優しく接するところが自然な自然さというか、作者は女性なのに(アニメの監督は男性だけど)わざとらしくない男っぽさが出ていて面白いなぁと感じます。