「人生にムダなことはひとつもない」読了。自分の信仰について考えてみた。
タイトル通りです。
僕はひねったタイトルつけるのが苦手なので。
僕はそもそもこういう明るい前向きな自己啓発本みたいなのは嫌いでして。
「希望を捨てなければ道は開ける!」
みたいな、いや何の証拠があるんだよ、その人がたまたまうまくいっただけじゃないのっていう言説が嫌いです。
じゃあ何でこの本を読んだか。
外交官で作家の佐藤優さんの本だから。
いや、別にこの人の職業は関係ありません。この人がキリスト者で信仰に対して誠実な人だから、その話が聞きたかったっていうのが一つ。
もう一つはこの本は対談形式なんですが、その相手が創価学会の人。ナイツっていうお笑い芸人です。
僕はテレビ持ってないのでこの本読むまで存じ上げませんでした。
youtubeでちょっとお笑いを見てみましたが、なかなかおもしろい。
笑いは落語の方がいいと思っていた僕でも、ちょっとお笑いに興味を持ちました。
それに、この人たち、テレビの前で堂々と「僕らは創価学会員です」って発言してるんですよね。
そんなこと言ったらバッシングされるんじゃないかなと思ってましたが、そうでもないようで。
そんな三人の対談でしたが、僕が一番知りたかった信仰についてかなり情報を得られたので読んでよかったです。
最も心に残ったのは、佐藤さんの「一つの確固たる信仰を持っている人は苦難に強い」
これは別の創価学会の人の話でも聞いたことでした。
一度人生どん底に落ちて、「ああ俺はもうだめだ。死ぬしかない」という状態からお題目によってよみがえる。
学会の人でなくても法華宗の人にはしばしばあるそうです。
今信仰を持っていない僕からすれば、それはお題目のおかげというよりは自分が信じているものに一生懸命すがったから立ち直れたんじゃないか。だから別にお題目じゃなくたって自分がこれが正しいと思っているものにすがればいいんじゃないか。それがたまたま彼らの場合はお題目だったんじゃないか、と考えます。
プラシーボ効果って奴です。ただの小麦粉でも薬だと心から信じて飲めば病気が治ってしまうような。
でも、それを除いても創価学会はコミュニティとしての価値があるように思えます。
僕は学会員ではないですし、創価学会とは何の利害関係もないので特に発言に制約がかかるわけじゃないですが、話を聞く限りでは座談会で会員同士が交流し、一緒にお題目を唱えることでつながっていく。
良い組織じゃないですか。地縁血縁コミュニティが崩壊した今、子供、若者老人が一緒に集まる機会なんてそうそうないです。
しかも、ほかの宗教組織と違って小さな子供と老人だけのコミュニティではない。
伝統仏教のお寺に行けば一目瞭然ですが、檀家の老人と幼稚園くらいの小さな孫しかいません。
その孫たちも小学生、中学生になればお寺から離れていきます。
田舎のお寺はもっと悲惨です。小さい子がいないので老人の世間話コミュニティになってしまっています。
檀家の老人がガッチリ村社会を作っている(総代さんという村長までいる)ので新規の仏教に興味のある若者が入っていける場ではありません。
法話中みんな寝てるし。
崩壊した、しつつある伝統仏教と一線を画して創価学会はまともなコミュニティをつくれているようで、これは現代日本においてはすごいことです。
だから世界に広がったんでしょうね。
佐藤さんはクリスチャンですが創価学会のファンだそうでwww。
ファン、って立場があるんですね。
僕も創価学会のファンかもしれません。
僕は今、伝統仏教の日蓮宗と曹洞宗に信仰のコミュニティを求めていますが、上記の通り、仏教の実践ができる場ではなさそうです。
だったら創価学会に入会してしまおうかと思う今日この頃。
ただ、問題がありまして。
一つ目は学会は他宗派に厳しい。
法華宗ならどこでもそうですが、基本的に法華経が最高だぜ!の立場です。
日蓮上人が「念仏無間、禅天魔」なんて言ってますから。
僕はテーラワーダの瞑想も続けたいし、キリスト教会とも仲良くさせてもらっているのでどうしようかと。
二つ目は既存宗教の傘下ではない。
新興宗教の信者っていうのは一般社会ではかなり身分が狭いと思います。
例えば、僕が将来結婚するとき、万が一僧侶になるとき、新興宗教に入っていたという事実はやっぱり不利になるでしょう。
僕があれこれ悩んでいるのは結局これですね。
自分が何教に入ればいいのか分からない。
大人になってから宗教に興味を持ったものですから自分の中に宗教的な価値観がない。
キリスト教が合うのか、仏教が合うのか。
法華経がいいのか禅がいいのか、はたまたテーラワーダがいいのか。
同性愛禁止だから。
別にイスラームの教えは面白いと思います。機会があったらモスクに行ってみようかと思うくらいには。
気になりだしたらキリがない。
なんだか本の話からずいぶんそれましたがこの本、創価学会に興味があったらお勧めです。