少年敗走記

脳みそをさらけ出すダンスホール。

アルバム「回=回」の感想と解釈

始めに。僕は回=回のライブには行っていないのでアルバムからの推測が全てです。

曲を聴きながら、歌詞カード見ながらその曲の間に書いたので日本語がちゃんとしてませんが。初聴きの印象としては良いと思います。


1.回=回
ほんとにヒラサワか!?ジャズっぽくない?ノンコードトーンの混じった
イントロ。平沢にしてはキャッチ―過ぎない???おしゃれすぎっていうか。
逆再生ボイスでヒラサワっぽさは出ているが
あと民族調っぽい。どこの国ってわけでもないが 部族
ちゃんとギター弾いてる。いつもどおり歪んでる。
どうでもいいけどこの曲名顔に見える。眼鏡くん。「カイカイ」と呼んでたけど「カイイコールカイ」なのね。

2.遮眼大師
2拍子?だよね。速い。あと最初タイトル読めなかった。いや、ギプノーザよりは読めたけど。
またノンコードトーンというかドミナント系の音で終止してる
最近ヒラサワこういう曲多いね。「ホログラムを登る男」からこんな感じ。現代社会の常識にとらわれて人々をあざけるというか。「お前ら騙されてるよ」って感じのトガッた曲。ユリアの寺院思い出すね。

叫ぶ叫ぶ「マントラー!!」
やっぱりあんたはロッカーだよ。

「周囲皆窮鼠 噛む」が「周囲皆急速 完」だと思ってて、ここで終わりって言ってくれるのかと。

3.OPUS
また2拍子
これ今監督が志半ばにして亡くなった映画の曲だよね?
はたまた逆再生の切り刻みボーカル。これない曲ってヒラサワにはないんだっけ?
テンポは遅いが迫力あり。ドラムのrideの抜けが良いと思う。さすが鎮西さん。広がるような音。砂がばらまかれた様な綺麗な音。このrideだけでもずっと聞いてたい。

4.TRAVELATOR
EDMっぽい
またちゃんとギター弾いてる。
「出ぬよう」がヒラサワの歌声っぽくない声。
ギターソロあり。あんまり速くないのでコピーしやすいね。
テンポの遅い4拍子。
SEに一昔前の電話みたいな音。いまわし電話かい

5.亜呼吸ユリア
歌い出しの音程難しそう。なんだこりゃどういうキーだ。どういうコード進行だ。
ボーカルの音程があっちこっち行くというかドミナント系が多くて絶対歌いづらい。ボーカルにあんまり使わない音ばっかり。
タイトルからしてユリアの寺院と関係あるだろうが今のところ僕には思いつかない。

6.無頭騎士の伝言
おおノリのいい曲。コードコスタリカ思い出した。歌詞はベーグルなんか食べてる場合じゃないけど。
また遅い4拍子。師匠の曲は3拍子ってないんだっけ?いや、そもそもテクノ実験工房で3拍子のテクノは珍しいって上野さんが言ってたような。
今回歌詞はリフレインが多い。
ファルセットの美しさがこのCDで一番かな。「無数」とか「キミ」のファルセット美しい。
「雨」「塵」でTimelineの東を思い出したよ。
「朝を蹴散らして」ナースカフェかな?家々の窓を破ってたねかつて。

7.ECHO-233
BSPで唯一の、つまりあなたのことですよ、と言い放ち多くの馬骨を落としたとされるこの曲名。
歌詞カードでやっとクロマキーで緑が抜けてないギターがみられた。おとなしい曲。無頭騎士でロックだったからね。
ああ民族調だね。「万象と」の「と」の音程が。この音程が懐かしさと切なさを感じさせる。歌詞から「万象の奇夜」が思い出される。「警鐘」とか「万象」とか「何度も来る」とか。
お、速いギターソロ。「何度も来る警報が」からボーカルが少し小さくなってそのままウィスパーへ。

8.幽霊飛行機
怪しいイントロ。幽霊と言えば現象の花の秘密。アルバム唯一の速い曲。4拍子。「極秘」がかすれてて良い。「超え」でファルセット。
またトガッタ系が来た。「大花輪」のリフレインの音程がまた歌いづらい系のドミナント。ギターソロも速い!なんとなく達人の山を思い出すギターソロだね。

9.PLANET-HOME
おお、低音。またゆっくりの4拍子。改訂Pっぽさを感じる。福間さんとか小西さんとやってたp-model。アルバムで言うと「舟」
この「HOME」の音程どっかで聞いたな。p-modelのどこかで。
あとで聞きなおす。たぶん「舟」のどこか。「普通の人が寝てる隙に」?

いや「始まりの日」の「おぉぉ~おお」かな。
ちょっと明るい曲だね。
ギターソロゆっくり。Fish Songっぽい。ってことはロバートフリップっぽいのかな。
壮大な曲。僕が救済の技法に感じる壮大さ、ベルセルクの時代の世界観を覚える。

10.Human-Le
イントロ、白虎野っぽいよね。そうでなかったとしても絶対ヒラサワサウンドで聞いたよこのイントロ。
ああ、懐かしさを覚える曲だ。民族調。なんとなく「イムジン河」思い出した。

タイの南国とおおらかな世界観が混じっているというか。Switched on Lotusの救済っぽいね。
めっちゃタイだよこの曲。ヒラサワの語るタイ。この明るさ、懐かしさ、ちょっと歌謡曲っぽさ。ヒラサワにしては明るすぎるような曲。どうしたヒラサワ。なにこの感動曲。さんざんトガッておいて最後にこの救済?
アルバムまでツンデレか。


このアルバム、「救済の技法」っぽくない?

「救済の技法」は人体の曲。という解釈が一部にあって、この「回=回」のアルバムジャケットも緑の人体。もちろん「救済」は平沢進名義でこの「回=回」は核P-MODEL名義だから違うはずなんだけどでも一部に「ホログラムを登る男」っぽいコンセプトもあるのでこの二つの名義はどんどん近づいているのかも。

ただ音としてはぜんぜん違う。核Pはテクノに入るだろうが平沢進はどこのジャンルにも入らない気がする。

米津玄師「vivi」は消えるイマジナリーフレンドを歌ったものか

 今回は米津玄師さんの「vivi」を分析していきます。最初に行っておきますが、以下の考察は総て僕が考えたもので本人がそうおっしゃったわけではありません。なんの根拠もないので「お前の妄想だろ?」と言われればその通りです。

この点のご了承をお願いします。あと、歌詞に「僕」という言葉が使われているので私は今回「私」という一人称を使います。

 

さて分析開始。

まず登場人物はふたり。ロボットの様な生き物と少女。

どっちが「僕」でどっちが「vivi」か。

ロボットの方が「僕」で少女が「vivi」です。「愛してるよvivi」の歌詞が僕目線、PVの「あなたへと渡す手紙のため」でロボットが机に向かっているので「あなた」=「少女」=「僕じゃない方」になります。つまりこの歌はこのロボット目線で話が進むんですね。始め逆かと思ってました。

 

普通の恋愛や友情でないことは「僕」が明らかに人間じゃないことからわかります。

私はこの「僕」を少女がつくりだしたイマジナリーフレンドではないかと推測しました。

この曲を一言でいえば「イマジナリーフレンドを失い’普通の大人’に成長していく少女の歌」だと考えました。それをイマジナリーフレンドの視点から歌う歌。

 

なぜ私がそう考察したか?

まず何度も繰り返されるサビに注目します。

「愛してるよビビ、明日になればバイバイしなくちゃいけない僕だ」

つまり僕は「あなた(少女)を愛しているけれど、明日(未来)にはあなたの傍にいてはいけない」と歌っています。

イマジナリーフレンドは多くの子供が持っていますが大人になるにつれてほとんどが消えてしまいます。

精神科でも一昔前までは病気かどうか審議されていたものでした。現在でも人格解離(多重人格)と区別がつきにくいもの、とされています。

つまり世間的にはイマジナリーフレンドを持たない大人が正常とされ、子どもの頃から持ち続けているのはおかしいとされるのです。

だから僕は少女の傍にはいられない。この少女の幸せを願うなら自分は消えなくてはならない。ただし、この「あなた」を置いていくのは「灰になりそうなまどろむ街」だ。

 

次にDメロの「溶けだした琥珀の~」を見ていきます。

まず耳慣れない「カリブー」という言葉ですがこれはトナカイの一種だそうです。トナカイと言えば?サンタクロースですよね。

そしてはっきり子供という言葉が出てくるのが「街から子供が消えていく」。その場面でPVでは「僕」が空から落ちていきます。

子供時代の空想は終わり、サンタやイマジナリーフレンドを失った子供たちは普通の大人になっていく。つまり、「街から子供が消える」のです。

 

では少しずつ歌詞の違うサビに注目します。

2番のサビでは「明日になれば今日の僕らは死んでしまう」「こんな話など忘れておくれ」「言いたいことはひとつもない」と僕は言います。

確かにイマジナリーフレンドとの思い出は写真に残せるものではないし、成長するにつれ自分がイマジナリーフレンドを持っていたことも忘れてしまいます。たとえ覚えていても誰かに話せるものでもなし。そういう意味で「明日になれば(未来では)今日の僕らは死んでしまう」「こんな話など忘れておくれ」ではないでしょうか。

 

「言いたいことはひとつもない」はこれから消えていく僕が何を言ったところで少女は悲しむだけでしょう。「さよなら」「元気でね」はもちろん「また会おう」でもないし。ここは本当は「言いたいことはひとつもない」ではなく「言える言葉はひとつもない」ではないでしょうか。実際最後のサビで「それでも何も言えない僕だ」と歌ってますし。

 

最後の「さよならだけが僕らの愛だ」がちょっとひっかかりました。

では今まで一緒に過ごしてきた時間は愛ではなかったのかと。

これはもちろん今まで一緒に過ごしてきた時間だって愛だけれど本当にあなたのことを想うなら僕は消えなくてはならない、それこそが本当の愛なのだ、ということではないでしょうか。

AメロBメロは僕とあなたが過ごした時間の感情の揺れ動きを歌っている、と見ました。

最後にviviという単語ですがパッと出てきたのがvivid,vivianなど。vivianは人名で男女どちらでもあり得る名前です。vividは「鮮明な、はつらつな」という意味です。これ、「灰になりそうな」と対比してますね。はつらつとした少女を灰になりそうなまどろむ街に置いていく。

「僕」は本当は消えたくないというかこんな「灰になりそうな街」=「一般社会、世間」に、このはつらつとした愛している少女を置いていきたくない、というのが真意ではないでしょうか。いつかこの少女もつまらない「普通の大人」になってしまうのが分かっているから。

 

ここで考察終わります。

はっきりいってこの曲すごく考察が難しい曲です。Dメロの「溶けだした琥珀」はたぶん「足のないブロンズ」とつながっているというのは分かりますが、なぜ「足が無い」のか。なぜ魚が僕を見るのか。空から海に落ち、海に還るということなのか。(海は生命の母ですから)

踊りを踊った閑古鳥?静かなのか騒がしいのか。

なによりイマジナリーフレンドが消える時手紙なんて書くでしょうか?人格解離の人の中には全人格で情報や予定を共有する為にメモやメールを書く人はいます。

解離した人格が統合され消える歌、でも考察できそうな。

PVがあるにもかかわらず平沢進なみに分析しづらい歌でしたが私は子供時代の終焉の歌と解釈しました。

私は米津玄師さんの曲はこういう悲しげで切ないものが好きです。こういう系はあんまりないんですが。「アイネクライネ」もいつか分析したいですね。今のところ私は「アイネクライネ」は親子の愛の歌だと思っています。成長した娘から若き父親への歌。あるいは逆です。成長した息子から若き日の母への歌。

なぜ恋愛だと解釈しなかったかはその時の考察で語ります。

長々とお読みいただきありがとうございました。

ホームズって結局童貞なの?ゲイなの?

BBCSHERLOCKを「シャーロック」、シャーロック・ホームズその人を「ホームズ」、と呼んで話を進めます。ネタバレあり。

 

子どもの頃からホームズ好きで全巻読破したのですが、映画のホームズの中でも気に入っているのがBBCSHERLOCK。最近また見返しています。

世界観が19世紀ではなくて現代なのも身近に感じられて面白いです。日本の感覚で言うと、19世紀舞台の映画って時代劇みたいなものでしょうか。幕末志士とか尊王攘夷とか。

21世紀版シャーロックと「忌まわしき花嫁」で19世紀に戻ったシャーロックで部屋の内装が一緒なのに気づきましたか?(皆気付くよ)

19世紀の建物が21世紀に残っていても不思議でない国っていいですね、イギリス。日本だったら一部の名家ぐらいしか日本様式の家ってないんじゃないでしょうか。

 

それに英語の勉強にいいんですよね。特にホームズの英語は推理になるとかなり速いのでいいリスニング対策になります。全部はなかなか聞き取れませんが。

 

このBBC,SHERLOCKで特に好きな話が「ベルグレービアの醜聞」。原作だとボヘミアの醜聞ですね。ホームズを唯一打ち負かす女性、「アイリーン・アドラー」が出てくるのですが、この人がホームズの人間らしいところを引き出していく。

 

で、まず第一。「ホームズとアイリーンは恋愛感情がある?」「ホームズって童貞なの?」問題。

原作にはもちろん書いていないし、ホームズのセリフとして「恋愛は精密機械の中の砂粒」という発言がありますね。シャーロックでも言ってましたが。

シャーロックではワトスンがホームズの人間らしいところを引き出してきましたが、恋愛には至っていないと思われます。

今回登場したアイリーンはしょっぱなからホームズをやりこめましたね。裸で登場し、ホームズをまごつかせたり、彼を文字通り「打ちのめした」り。

写真の入ったスマホを自らホームズの元に贈って余裕を見せつけたり。ホームズはパスワードが分からずに悪戦苦闘したり。

 

彼女がワトスンと徹底的に違う面は、ワトスンはホームズより「格下」ですがアイリーンは対等、一時的には格上になり、ホームズを翻弄した点です。

 

彼は少々うぬぼれ屋な所があり、他の人間に翻弄されたり出し抜かれたり振り回されたりしたことはなかったわけです。

ホームズはこれを面白い、興味深いと感じたのではないでしょうか。

しかし、これだけでは恋愛感情には届きません。振り回してるだけならモリアーティだって一緒なわけですから。

ではアイリーンとモリアーティの違いは何か。やっぱり性別じゃないでしょうか。

 

原作ではホームズは少々女性を見下しています。まあ、19世紀の人ですから。しかし、アイリーンに出し抜かれて以降、その見方をやめたという設定になっています。

シャーロックでさすがにあからさまに女性を見下すシーンはないですが、無意識下で少しは「こともあろうに女が僕を翻弄するとは、面白い」という感情があったのではないでしょうか。

アイリーンがホームズに惹かれていくうちに、ホームズの心が全く動かなかったというストーリーよりはホームズも少しはアイリーンになびいた、という設定の方が面白い気がします。

アイリーンに対する、「面白い、興味深い」という感情がしだいに深くなっていき、「愛」と呼べるレベルまで達したとしてもおかしくないと思います。

 

かつ、ホームズが手元にスマホを所持しながらパスワードを破れない間はアイリーンはホームズより格上でした。しかし、ホームズがパスワードを破った瞬間、一気に窮地に立たされたのです。マイクロフトに保護されなければならないほどの窮地に。

この、「格上で少なからず好意と敬意を抱いていた相手が窮地に陥った」状況は人に「助けたい」という情をもたらします。その情は「愛」の一つと呼んでもいいのではないでしょうか。

 

で、結局ホームズは童貞なのか?

僕は違うと思います。なぜなら女の扱いをわかっている行動をとっているから。

どの話かは失念しましたが、ホームズがドアのロックを破るために社長秘書の女性と恋仲になる話がありましたね。ドアの前で指輪を出してプロポーズするあのシーンです。

女性と恋仲になれる程度には女性のことをわかっているわけです。

そして、アイリーンが裸で登場した時、ワトスンが言葉を失ったのに対し、ホームズはそこまで驚きませんでした。(偽名は飛びましたが)

童貞だったら視線ぐらいは泳ぐんじゃないでしょうか。

また、アイリーンに自分のコートを着せるとき、彼は後ろを向きましたね。あれはコートを着るときに身体を隠せなくなるからですよね。

一瞬でそこまでの気づかいを出来るのなら彼は女性経験はあると思います。

 

第二問題。「ホームズはゲイか?」

まず初めに述べておきますが、ワトスンは違うと思います。ワトスンは原作でもかなりの女好きですし、シャーロックでもたくさんの女性と恋仲になっています。ホームズのせいでそのぶん振られてるわけですが。

ホームズもたぶん違うでしょうね。本人が違うと言っていますし、アイリーンにあれだけ興味を示した(恋愛感情というよりは興味ですが)わけですし。

ホームズは恋愛より自分の興味のある道を一途に突っ走るタイプなので、女に興味がないというよりは恋愛に興味がないのだと思います。

 

ちなみに原作ではふたりが腕を組んで歩いている挿絵があったりしますが、あれは19世紀では普通の習慣らしいです。

 

しかし二人がゲイでないとすると腑に落ちないのが、どうしてあれだけゲイネタを入れてくるのか?

初期のピンク色の研究でもハドスンさんやカフェのマスターが二人をカップルだと思ったり、ホームズがワトスンに「誘ってくれるのはうれしいけど」と言うシーンがあったり。

バスカヴィルのハウンドで田舎に泊まった時も店主がゲイだったり、彼にダブルベッドがなくて悪いね、と言わせたり。

ワトスンが爆弾を巻かれて助かった後の一言で「君に暗いプールで服を脱がされるところを~」というセリフがあったり。

 

思いつくだけでこれだけゲイネタがあるのにレズネタといえばワトスンの姉ハリエットは女性と結婚していたこととアイリーンが女性とも「仕事」をしていたという点だけ。

ゲイネタと比べて圧倒的に少ないですよね。ハリエットは姿も見せてないですし。

深読みしなくても脚本側が「この二人(ホームズとワトスン)をそういう目で見てください」とリードしているように見えます。

 

結論を言えばこの二人はブロマンスだと思いますがこれだけゲイネタが多いのはなぜなのでしょうか。

ワトスンは「あなたはホームズにとっていい彼氏ね」と彼女に言われるほどホームズに尽くしていますし。

つまり、恋愛<<<二人の絆

という構図に描かれていますがこれは果たしてブロマンスの範疇なのか...?

日本の男女格差は別に男が優位なわけではない

日本の男女格差を端的に表すと、「男も女もそれぞれ別の問題で苦しみ、いがみあっている」です。

どちらも苦しんでいるという点においては平等ですねぇ。

もっと詳しく言いますと、男女とも「男はこうあるべき。」「女はこうあるべき。」に苦しんでいて、どちらもが「俺の方が、私の方が苦しいんだ!」と喧嘩している状態ということです。

 

例えば男の場合経済力です。やっぱり男は経済力がないと結婚しづらい。見た目が悪くても金があれば結婚できますが、金がなかったり主夫になったりすると苦しい立場に立たされます。

女の場合は見ためと年齢です。「結婚適齢期」なんて言葉がある様に、結婚するにはある程度の年齢でしておかなければならないという思想があります。

確かに子供を産みたいならある年齢までに結婚、妊娠する必要があるという考えは正しいですが、子どもを持たない場合、結婚に適齢期なんてあるわけないじゃないですか。

しかし、日本で子どもを産まない女はまだマイノリティですし、子供産めプレッシャーはこれからどんどん強くなるでしょうね、少子化で。

見た目に関しては、女だったら化粧をしてちゃんと着飾って当たり前という思想があります。女芸人が自分のブサイクをネタにして笑いが取れるのも「女は見た目が良くて当たり前」という概念があるからこそだと思います。

 

それと、女は若い子でも「男にサービスしてもらって当たり前」という考えを持っている人が多いです。

「男に守ってもらって当たり前。夜道が暗くて怖いので男に迎えに来てもらった(ほぼ初対面。ただの近所の人。)」

とか、

「女なんだから男におごってもらえばいいじゃーん。買い物袋とか持ってもらってあたりまえでしょー。」

とのたまった馬鹿を僕は二人ほど知っています。開いた口が塞がらないとはこのことかと。

これじゃあ結婚したくない男が増えてもしょうがないなと思いますね。

もちろん、夜道が怖いとか荷物が重くて持てないなんてことはあるでしょう。僕も元女なのでこの状況はよくわかります。

でもさ、迎えに来てもらったり荷物もってもらったりしたんならちゃんとお礼するのが当然だよね。なんで当たり前だと思ってるの?奴隷じゃあるまいし。

 

別に女を庇うわけじゃないんですが、これは日本の文化にも問題があると感じますね。

日本でサービスはタダです。正確にはタダじゃないんですが、タダだと思われています。スマイルは0円だし。レジの袋詰めは綺麗で速くて当たり前。

だから男が女にサービス(夜道を迎えに行くとか荷物を持つとか)もタダで当たり前。

 

今回は男女格差の問題でしたが、日本で今起きている問題(スパイト行動とか貧者の貧者叩きとか)は根本を突き詰めていくと日本の構造問題だと思います。

だから容易には解決しないでしょう。

劇薬として移民を入れるのも一つの手だと思います。最初は社会が大混乱してツイッターでは不満の嵐が吹き荒れるでしょう。(スーパーのレジが座っているだの愛想が悪いだの)

しかし、完璧を求める、完璧で当たり前という日本の構造を壊すにはこれしかないと思います。

僕は完璧で当たり前という思想は自分の首をも絞めていることにいつか多くの人が気付き、完璧を求めないという実践ができる未来を望みます。

なぜ日本の景観は醜いか

今回は日本の街並みの話です。

はっきり言って、日本の街並みって美しくないですよね。

衛生の話ではありません。衛生面であれば日本の街はかなり綺麗です。パリの駅とかハンバーガーの包み紙があっちこっちに落ちてたりしますから。

でも、ヨーロッパの街並みが伝統的な建築様式の建物が立ち並んでいるのに対し、日本は味気ないビルばかり。

東京の街並みは綺麗になりつつあるといってもやっぱりビルなんですよね。

どこも同じ感じの。

しかもそのビルとビルの間に伝統的な様式のお寺が挟まれていたり。混ざりすぎというか。

 

僕はしばらくニュージーランドに住んでいたことがあるのですが、都市と郊外がはっきり分かれていて、郊外から都市に行く途中はひたすら道しかありませんでした。たまに動物園があったり発電所があったりしましたが店らしい店はなく、家は一軒もありませんでした。高速道路みたいな感じでした。

 

日本はなぜこんなにめちゃくちゃに建物を建ててしまったのか。

考えられる理由はいくつかあります。

 

まず、単純に人口が多くて住める場所が狭い。

日本の国土の7割は山だと言われるほど日本は平地の少ない国です。そりゃあビルみたいなマンション建てて居住面積を稼ぐしかないですね。豪華な1軒家とか建ててる場合じゃない。郊外と都市をはっきり分けるほどの面積の余裕はないわけです。

ちなみに、データをとってみました。2017年のものです。

人口密度

日本 335人/㎢

ニュージーランド 17人/㎢

アメリカ 33.7人/㎢

国土は

日本 378,000㎢

ニュージーランド 268,000㎢

アメリカ 9,834,000㎢ でした。

 

国土としては日本はニュージーランドより広いですが、先ほども言ったように7割山です。それにニュージーランドは人より羊が多いといわれる国ですから羊口密度も考慮にいれないといけないのかもしれないですね。

 

第二に、日本は戦争で焼け野原になった。

日本は太平洋戦争で東京、大阪といった主要都市まで空襲にあい、焼け野原になりました。そこから始まったのがまず経済の復興です。文化とか言ってる場合じゃない、まず稼がなきゃ。国民を食わせなきゃ。

そんな時に建物のデザインなんざごちゃごちゃいってられません。便利ならいいんです。もう二度と燃えない、倒れない頑丈な建物がいいんです。

そもそも日本家屋は「紙と木」の家でした。夏は涼しいが、燃えやすいし地震が来れば倒れる。じゃあもっと頑丈にビルにしようぜ、コンクリで固めようぜとなるのは合理的です。(芸術は合理性ではないですが)

 

第三に、日本はヨーロッパに支配されませんでした。(アメリカにはされましたが)東南アジアに欧米風の建物が残っているのはヨーロッパ支配の名残です。支配されていないのだからヨーロッパ風の建物を建てる必要が無かった。

 

第四に、単に日本の気候に合わない。

伝統的な日本家屋は風が通りやすくつくってあります。日本の夏は蒸し暑いのでヨーロッパ風の重圧な建物なんか建てたら湿気がたまってしょうがないんじゃないですかね。それにヨーロッパの伝統建築は隙間風が入って来たり虫が侵入しやすいそうです。

だったらコンクリでビルつくりますよね。

 

ちなみに、もし日本が焼け野原にならなかったら伝統的な日本家屋のままだったかと問われればそんなことはないと思います。

やっぱり少しずつビルになったと思いますよ。残念ながら。

人力刀剣乱舞と朗読から人力

utau式の人力をいじり始めておそらく半年?ほど。

主に歌わせているへしろいどと兄者ろいど(髭切)について書こうかと。

この二人、声のタイプが真逆で使えば使う程おもしろいんです。

まず、へしは低音が得意、声質がもともとちょっとざらついている(utauにのせたときそこまでの低音でないのにびーっというノイズがのる)、高音が辛いかな?という印象。とにかくざらつきやすいです。それだけ低音が豊かだってことなんですけどね。

良い面としては「ですね」の「ね」のような半分囁きの音源でもノイズが乗りにくい点。

 

髭切は女性ボーカル曲を原キーで歌えるほど高音が得意で綺麗に出る、声質がクリアなのでフラグのHを設定しなくてもざらつきません。ただし低音はこもりがちというか、兄者らしさがなくなります。

かつもともと声質がウィスパーなので囁きセリフからとった音素はノイズだらけです。特に「だね」の「ね」なんかはいくつ切り出しても使えるのはそのうち2,3個...

 

それと、早口のセリフは文字通りに発音してなかったりします。セリフ途中の「だ」がセリフで聞くと普通に文字通りしゃべっているように聞こえるんですが、一音ずつ切るとどうしても「で」にしか聞こえない、なんてこともままあります。

もともとへしがはっきり喋るのに対し、兄者は話すスピードも話し方もゆっくり、ゆったりなので一音ずつはっきり発音してないんですね。

若干「ヤ行」が苦手かな?

でもロングトーンで兄者らしい平安貴族の様な?アクセントの音素が使えると一気に兄者らしさを主張できます。

あと何もフラグをいじらなくてもへしよりきれいに歌います。

 

ニコ動で刀剣乱舞キャラの人力投稿数を以前調べてみたのですが、

へし(712)>鶴丸(609)>燭台切(476)>鶯丸(249)>兄者(186)

でした。まあへしが人気なのは知っていたんですが、やはり上位は織田、伊達のあたりだなぁと。倶利伽羅は調べなかったのですがきっと多いでしょう。

それにしても兄者の投稿数の少なさにびっくりしました。綺麗な高音だからぜったいみんな歌わせたいだろうな、と踏んでいたところに200いかないくらいの動画数でしたから。

あと意外だったのは一期一振の人力投稿数が195個。もっといくと思ってました。

鶴丸は共感できます。僕も一時期兄者と鶴丸、どちらをやろうか迷いましたから。鶴丸は兄者とは逆で綺麗でクリアな低音なんですよね。

 

さて、ここから刀剣乱舞の人力ではなく、声優さんの人力の話になりますが、僕は今声優さんの朗読から音素を切り出し、人力を作っています。

今挑戦中なのは神谷さん。乱歩の人間椅子の朗読のmp3を買い、それを刀剣乱舞と同じように切り出しているのですが、ひとつ刀剣乱舞の人力とは明らかに違う点に気が付きました。

それは、声に表情が無い。

刀剣乱舞はゲームボイスですから当然声に表情がついているわけです。兄者の「ゆったりすごそう」だったら明るい声で言っていますし、へしの「俺は強くなりましたよ」だったらドヤァ全開で言っているわけです。

 

ところが朗読の場合、登場人物のセリフもそこに完全に浸りきって読むわけではないですし(すぐに次の文章に行かなければいけないので)、ト書きの文章だってあります。

これを切り出して音楽として並べても棒読みの歌というか、どうしても歌っているように聞こえない。

朗読は当然神谷さんですからうまいのです。それを切り出して音符にしても感情がのっていないようにきこえるのです。

初期のボカロからさらに感情をなくした感じに近いです。

 

そう考えると声優さんというのはすごい技をお持ちなわけですね。ただ声を発するのではなく、声に表情をつける。そのプロたちだということが改めて実感できました。

その表情はたとえ人力utauでバラバラに一音ずつ切り出してもしっかりのっている。声の職人といったところでしょうか。

 

・・・やっぱり神谷ロイドをやりたかったらおそ松さんのチョロ松から切り出すのがいいのかもしれません。

 

 

VOCALOID声の話 KAITOをどう生かすか

今更なんですが、VOCALOIDの声のタイプの話です。

最近神調教の動画を見つけまして、それが

nico.ms

神無月pさんという人の「daze」です。

聞けばわかるんですが恐ろしいほどの調声で、まるで人間のプロシンガーが歌っているよう。この方はvsqxを配布してくださっているのでせっかくなのでダウンロードし、うちのボカロ達に歌わせて彼らの声の違いを検証してみました。

 

対象ボカロは4人。

鏡音リン、レンv4x、v4flower、KAITO V3です。

この中の誰かを(鏡音はペアですが)お迎えしようかなと思っている人にはちょっと参考になる内容かもしれません。

ちなみにボカロ使用歴

KAITO4年、他3人が2年です。

 

まずダウンロードしてきたvsqxをpiapro studioに放り込みます。

パラメータは音量以外いっさいいじっていません。

KAITOは原キーだと高音が辛そうだったので1オク下げ。

 

最初は一人ずつ聞いてみました。

やっぱり鏡音はPowerライブラリがこういう歌い上げるロック系には映えますね。他のserious,cold,sweet,warmでも試したのですがこもってしまってあまり聞こえませんでした。たぶんオケと合わせるとかき消されると思います。

 

flowerはこういうロックの為につくられたライブラリですから当然かなりロックっぽく歌い上げてくれました。4人の中で最もこの曲を上手く歌いこなしてました。

 

問題なのがKAITO。他のライブラリを聞いた後だと明らかに声が弱いのがわかりました。KAITOのライブラリは4種類あり、その中で鏡音のpowerにあたるのがstraightですが、powerに遠く及ばないほど声が優しいです。

この4人、声の弱い順で並べるとKAITO<<<リン<レン<flowerです。

 

試しにKAITOを他のライブラリとデュエットさせてみました。

まずリンと。

ボリュームが同じくらいでもまあまあ聞こえます。そもそも声質が全然違いますからお互いをかき消し合うことはないです。

 

次にレン。

レンとkaitoは発声の仕方は違うんですが声は似たタイプ。つまり喉を開いて声を出す女性声優さんの少年声と男性の声。

kaitoがオク下とはいえ同じ音量だとkaitoは歌詞が聞き取れないくらい聞えません。

さすがにレンをcoldやseriousにするとkaitoの方が目立ちますがそれだとロックとして成立しないのでレンの音量を8割くらいに落として合わせました。

 

一番大変だったのがflowerとkaito

flowerは声質がレンと似ているので声もkaitoと被るところがあります。

かつ、flowerは声に張りがあって歌い上げるタイプ。kaitoと真逆なので一緒に歌わせるとkaitoはベースになってしまいました。「いる」ことがわかるくらいにしか聞えないのです。

さらに驚いたのはkaitoを原キーにすると最早歌っていることすら分からない。ミュートになってるのかと何度か確認しましたがフラグが動いてるんですよね。

kaitoの音量は常にマックスになっているのでflower側を落とすしかありません。

この二人はデュエットには向かないと感じました。

 

このボカロ達、それぞれ発声の仕方が違うんですよね。

声にパワーがあって腹から出している、歌い上げているライブラリがレンとflower。

どこかで「レンの発声はマイクなしで声を30m先に飛ばす歌い方」と聞いたことがありますが、まさにそうです。flowerはそれをさらに30mぐらい遠くした感じです。

まさに「歌い上げる」シンガー。

 

一方、リンとkaitoはマイクがあるのが前提の繊細な歌い方といってもいいと思います。リンはpowerのライブラリは確かに張りのある強い歌い方ですが、レンには及ばないと感じます。もちろんロックも歌うことができるのですがおそらくステージで歌ったらかきならされるギターに消されがちでは、と思える声です。kaitoはそれをさらに繊細にした感じです。

「歌い聞かせる」シンガーといったところでしょうか。

 

ところで、ボカロのパラメータにはダイナミクスというのがあります。これは主に発声を強くする、パラメータとして使われます。

じゃあ、このダイナミクスを思いっきりあげればkaitoだってロックを歌い上げられるんじゃ?と思いますよね。

 

ところが、このダイナミクスというのは簡単に言えば音量をあげるものです。

例えば「君がいた」という歌詞の「が」を強調したいなら「が」の音量をあげて主張させるのです。

音量を一瞬あげるだけですから声質は変わりません。

ダイナミクスをあげまくったところでkaitoの優しい声は優しいままです。決してflowerのような声にはなれないのです。

 

おそらく「声を変える」パラメータとしてはジェンダーファクターくらいしかないと思います。

これは結構わかりやすいパラメータで、レンで言うと上げると「レンの低音」になり下げると「ショタレン」になります。

kaitoだったらジェンダーファクターを上げて低音を強くすると少しはっきり歌う声になります。やりすぎると軍歌歌手みたいに・・・

これぐらいですね、kaitoの声を張があるように変えるのは。

 

じゃあkaitoはダメな子なのか?

いえいえ、全然そんなことはないです。

確かにパラメータを細かくいじる調声をやりたいなら当然ロックのほうがいいわけですからkaitoだと初心者には難しいです。

何をどうやっても「歌い上げる」ようには歌いませんから。

ロックをメインでやりたいなら断然flowerをおすすめします。レンも大丈夫。リンもレンよりは大人しめですがロックにも向きますよ。

 

kaitoはこの3人とは一工夫した調声が必要です。でもそれがのちのち他のボカロを調声するときに役立つと思います。

kaitoはv3なのでグロウルが使えません。かつ発声が弱い。

そういう時はパラメータとともに打ち込む歌詞にも一工夫します。

例えば「また明日の君が~」という歌詞の「明日の」の後に一瞬間を開け、次の「き」を強く発声させたいとします。

普通に打つと「の」の後に一瞬間があるにも関わらず母音の「お」が「き」の初めに発声されてしまい変なひっくり返りがあるように聞こえてしまう、ということがkaitoでは良く起こります。

つまり「また明日のっ、君が」と歌ってほしいのに「また明日のぉ君が」と歌ってしまうということです。

これがKAITOの声がしばしば能天気に聞こえる原因かも。

 

これを防ぐために「の」の一瞬を空白ではなくブレスで埋めます。そうすると「の」の後に間が空き、かつ「き」の発声が強くなります。「の」と「き」で完全に音が切れるのです。

ベロシティをいじらずにはっきり「き」と言ってくれるのでノイズにならなくてすみます。

これはkaitoユーザーでなかったら気づかなかったかもしれないテクニックでした。

このように新しい技術を自分で発見していくのが面白い人にkaitoはうってつけです。のんびりいろいろ自分で発見していきたい人にはおすすめですよkaito

 

最後にこれは僕の感想ですが、彼はある分野では最強になります。

ボカロなので普通の男性が出せない音域だって出せるには出せるんですが苦しげな高音になります。

他のリンレン、flowerがらくらく歌いこなす歌でもそのままのキーだとkaitoには高すぎ、声が細く、無理しているように歌います。

その苦しげな高音は曲にあるジャンルにはマッチします。苦悩を表現するとかね。

見方を変えればこれは強みです。苦しげな高音は他の女声(レンも含め)ではなかなか表現しづらいですから。

叫ぶような苦しい高音って、悲劇を歌うにはぴったりなんですよ。男声は特に「何かあるな」と思わせる声だと思います。

 

結果、kaitoは何でもこなせるオールラウンダーではないですが、曲が優しい声質や苦しい高音にマッチすれば無双します。個人的には男声ボカロの中で最もバラードの似合う人だと思います。

苦しい高音で作り込んでいけば悲劇的なロックには似合うかも?

kaitoの可能性は無限です。

もしお迎えしたらどうぞ可愛がってあげてください。いつの間にか曲作りに欠かせないパートナーになります。